退職理由ランキングで見えるホンネと建前&最強の退職理由

会社を辞める理由ってなにがいいんだろう。

最強の退職理湯があるなら教えてほしい。

厚生労働省『令和2年転職者実態調査の概況』

厚生労働省の調査は、転職者を対象に前職の退職理由の集計したものです。回答総数が多く、バイアスがかかっていないこともあり、退職の本心に近い回答を得られているものと見てよいでしょう。

ただ、ランキング上位の理由は、退職理由として本心が出過ぎていて実際には言いにくいものです。辞めるときは、本心をしまっておいて、建前を上手に使っていくのが賢明です。

退職理由をあれこれ考えてみても、結局、建前を押し通すには相当な勇気が必要です。見破られないように入念に考えておかなければなりません。上司に退職理由を言いにくい場合は、退職代行サービスを利用することで退職手続きを代行してもらえます。

退職理由ランキング

  1. 労働条件(残業や休日出勤など)がよくなかった
  2. 満足のいく仕事内容でなかった
  3. 給料が低かった
  4. 会社の将来に不安を感じた
  5. 上司や同僚との関係が良くなかった
  6. 他に良い仕事があったから
  7. いろいろな会社で経験を積みたい
  8. 能力・実績が正当に評価されない
  9. 安全・衛生等の職場環境が良くない
  10. 雇用が不安定だった

厚生労働省の調査のランキング上位は、本心の退職理由です。残業が多い。仕事が面白くない。給料が少ない。というのが、多くの人にとって本当の退職理由のようです。

私自身も保険会社を辞めた理由は「労働時間が長すぎるくせに給料が低い」、運輸会社を辞めた理由は「単調な仕事が面白くなかった」、モバイル通信会社を辞めた理由は「どう頑張ってもこれ以上給料が上がらなくなった」というのが本心でした。

ちなみに20代の退職理由は、上司や同僚との関係がトップとなっています。

退職理由は建前でよい

  • 結婚・出産・育児のため
  • 介護・看護のため
  • 家族の転勤・転居のため

厚生労働省の調査結果の下位にある理由は、会社・職場を辞める建前の退職理由に利用できます。

結婚・出産・育児は、当てはまる人が限られるので、参考にならないと思う人も多いかもしれません。でも、かしこい退職理由とはこういうことなのです。「それなら仕方ないね」と思ってもらえる理由は、スムーズに退職するための建前になるわけです。

退職理由「親の面倒をみる」

  • 親の介護は、緊急性が高い。
  • 誰しも親がいるので、状況を理解してもらいやすい。
  • 地方出身者の場合は、実家に戻らなければならない。

親の面倒をみることになったという理由は、退職しなければならない状況を理解してもらいやすいです。

ただ、職場で「大丈夫なの?」と心配されるのがちょっと心苦しいところです。上司がうたぐり深い人だったら、緊急連絡先として教えた実家の電話番号に電話して事情を聞き出そうとするかもしれません。

親の面倒をみるという建前を使うときは、親と口裏を合わせておく必要があります。

退職理由「家庭の事情で…」

  • 配偶者の転勤で引っ越すなら仕方ない。
  • 子供の保育園や育児が理由なら仕方ない。
  • いつまでに辞めなければならない。という期日を設けやすい。

ひとくちに「家庭の事情」と言ってもいろいろありますが、引越しを伴う理由は、辞めざるを得ない理由として強力です。

配偶者の転勤で引っ越すことを理由にした場合は、職場から送別されることになると心苦しいです。あと、引越し先を聞かれて迂闊うかつに答えると、上司や同僚の故郷とバッティングするかもしれません。引越し先の場所にも注意が必要です。

子供の保育園や育児を理由にする場合は、女性なら理解してもらいやすいでしょう。

最強の退職理由

「実家の仕事を手伝うことになった。」

私が知り得る最強の退職理由は、「実家の仕事を手伝うことになった」という理由です。

実家が何かの稼業をしている必要はありません。架空の商売で大丈夫です。たとえば「父がネットでビジネスを始めたので、PC作業の方を任せたいと言われた。」「母がお茶の教室を始めたので、経理を手伝うことになった。」

親が理由なら、会社も上司も何も言えません。「来月から手伝うことになっている」など、退職までの期日を決めやすいこともあり、まさに最強です。

モバイル通信会社に勤めていたとき、同僚が実家の稼業を手伝うという理由で退職していきました。「実家の魚屋を手伝うことになった」と言うのです。もしかすると本当かもしれません。でも、本当かどうかはさておき、文句の付けどころがない最強の退職理由だと思いました。

辞めたいなら本音は厳禁

  • 「残業が多くて嫌なんです」 → 上司「残業が無くなるようにするよ」
  • 「簡単な仕事ばかりでつまらないです」 → 上司「やりがいのある仕事をお願いするよ」
  • 「給料が低くてやってられないです」 → 上司「次の査定で給料アップを約束する」

会社・職場を本気で辞めたいと思うなら、本音を話すのは厳禁です。上司が「辞めさせない工作」しやすくなってしまうだけです。具体的な理由であればあるほど、工作のヒントになってしまうわけです。

厚生労働省の調査の上位に見えるような本音の理由を退職理由として職場・上司に伝えるのは、やり方としてかしこくない方法です。言われた側はおもしろくないし、労働条件や賃金は会社や上司が対策できてしまうからです。

辞められないように、ちょっとだけ給料を上げてやろう。

つまり、会社や上司に本音を漏らすと、「辞めさせない工作」につながるヒントを与えることになり、退職が困難になってしまうでしょう。

ステップアップは最悪

「ステップアップしたい」を退職理由にしようとしていたなら、むちゃくちゃ正直な人だとは思います。

ただ、辞める理由としては最悪です。なぜなら、長年同じ仕事を続けてきた上司・先輩の気持ちを逆撫でするだけ。彼らは、当然あなたより仕事ができると自負しています。

「俺が長年つづけてきた仕事をなんだと思ってるんだ」と、自尊心が傷ついてカチンくるでしょう。

ふざけんな!辞める理由になってねーわ!

ステップアップが本当の理由だとしても、辞める理由にはしないほうが良いでしょう。

まとめ

  • 厚生労働省の調査のランキング上位は、本心の退職理由。残業が多い。仕事が面白くない。給料が少ない。というのが、多くの人にとって本当の退職理由。
  • 「それなら仕方ないね」と思ってもらえる理由は、スムーズに退職するための建前になる。
  • 親の面倒をみることになったという理由は、退職しなければならない状況を理解してもらいやすい。
  • 引越しを伴う理由は、辞めざるを得ない理由として強力。
  • 最強の退職理由は、「実家の仕事を手伝うことになった」という理由。親が理由なら、会社も上司も何も言えない。退職までの期日を決めやすいこともあり、まさに最強。
  • 会社・職場を本気で辞めたいと思うなら、本音を話すのは厳禁。上司が「辞めさせない工作」しやすくなってしまうだけ。
  • 上司に退職理由を言いにくい場合は、退職代行サービスを利用することで退職手続きを代行してもらえる。
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