
引き止められてて、話が前に進まない気がする。
引き止めに効果的な断り方はないかな。
退職引き止めの断り方は、まず感謝を述べ、退職の気持ちが固まっていることをはっきりと伝えます。このときの心構えは、「退職すること前提」です。
退職する理由を具体的に言わないのがコツです。理由を言ってしまうと、それは相手に引き止めの好材料を渡しているのと一緒です。また、論破をしても平行線をたどるだけで、肝心の退職に進んで行きません。
退職の引き止めが続いている場合は、退職日を決めるかたちで期日をはっきりさせるよう働きかければ引き止め解決に向かいます。
断っても断っても引き止めが続くなら、自力で解決するのが難しい状況かもしれません。退職のプロ、退職代行サービスを利用することを検討するのも引き止めを解決する方法のひとつです。

退職引き止めの断り方
引き止めてきた上司への断り方
- 引き止めてきた上司に対して、第一声「ありがとうございます。」と礼は言っておく。
- でも、引き止めには取り合わない姿勢で、「退職することで気持ちは固まっております。お応えできずに申し訳ありません。」とキッパリ断る。
- その後の引き止めには、「すみません。」と一言だけで返す。
相手が何を言ってきても、辞めること前提で話すことがコツです。ブレてはいけません。「給料を上げる」とか「役職を用意する」などの言葉は信じてはいけません。
引き止めメールの断り方の例文
相手が何を書いてきても、辞めること前提で返すことがコツです。
体調不良では断り切れない
引き止めの断り方として、体調不良を理由にするのは賢明ではありません。
なにか良い引き止めの断り方はないかと、「体調不良」を思い付くかもしれませんが、「体調不良」では引き止めを断り切ることはできません。なぜなら、
「体調が良くなるまで待ってるから心配なくていいよ。お大事に。」
と言われたら、退職する道が閉ざされてしまいます。しかも体調不良だと言ってしまった手前、体調不良でゴリ押ししていく羽目になり、どんどんしんどい状況になってしまいます。
退職する理由を具体的に言わない方がいい

辞めたいから辞めるんです。
退職する理由は、じつはこれで十分です。何を聞かれても、キレられても「辞めたいから辞めます。」の一点張りで良い。つまり、辞める理由は「辞めたいから」ということです。
何度も引き止めにあって苦しんでいる人は、辞めたい気持ちをわかってほしいと思うあまり、理由を具体的に正直に話してしまいます。それは、相手に引き止める好材料を与えているだけです。
たとえば、

待遇が良くなくて、やりがいを感じなくなりました。

わかった。来期からやりがいのあるポジションを任せるよ。
断れなくなってしまいます。

給料が上がらないことに不満があります。

わかった。給料を上げるように調整する。約束するよ。
断れなくなってしまいます。そして、

ほんとですか。
本当なわけないだろw
大人の言うことを信じちゃう小学生みたいな人、たまに居ます。
引き止めを断ることができない人は、人柄が純粋すぎます。だまされてもなお、人を信じる「善人」とも言えます。しかし経営者や上司は、そういう純粋で弱い心につけ込んでいることを知るべきです。
あなたが弱いことを知っているから、何度も引き止めてくる。
「頼むよ、残ってもらえないかな。お願い、このとおり!」と泣き落とししてくる経営者や上司の演技にまんまと引っかかる。
あの手この手で引き止めてくる上司に対して、「おまえの言うことなんか信じない。辞めるんだから、もう関わるつもりも無いんだよ。」という強い気持ちを持つことが、引き止めを断る心構えです。
退職する理由を具体的に言わなければ、引き止める方は手の打ちようがなくて引き止めできなくなります。
「辞めたいから辞めるなんて理由になってない。通用しない。」と言われたら、こういえば良いです。
「じゃあ、退職届を内容証明郵便で送るんで、法律どおり2週間後に辞めさせてもらいます。それでいいなら引継ぎも何もしませんから。」
YOU WIN!
引き止めを論破するには
- 法律・法令を根拠にして論破する。(←退職に向けて動く可能性あり)
- ハラスメントを根拠にして論破する。
- 引き止め文句に答えて論破する。
引き止めを論破する手立てとして有効なのは、法律・法令を根拠にすることです。とくに民法では雇用契約の解約に期日が定められているので、民法を根拠にすると退職引き止めの状況を前に進めることができます。
ハラスメントや、引き止め文句を論破しても、退職引き止めを解決することにはならないでしょう。ハラスメントは「ごめんね」で終わってしまうし、引き止め文句を論破しても「そうだね」で終わってしまいます。
① 法律で論破
- 憲法22条によって職業選択の自由が保障されており、退職することは国民の権利である。
- 民法627条1項によって、退職申入れの日から2週間を過ぎれば雇用契約は終了する。
法律の知識は、引き止めの論破に使えます。職業選択の自由があるから退職する権利があり、退職申入れの日から2週間が経てば退職してよい。ということになります。
退職申入れの日は、退職届の日付が効力を持ちます。すでに退職願や口頭で退職を伝えている場合は、いよいよ退職届(日付入り)を上司に渡して法的効力を発生させる必要があります。
渡した直後にメールで「お渡しした退職届について、どうぞご査収くださいますようお願いいたします。」と送信しておけば、メール送信の日付も法的効力を持つので効果的です。
② ハラスメントで論破
- 度重なる引き止めによって、当人を退職させない、退職できない状況に追い込んでいる場合は、その引き止め行為は在職強要にあたる。
在職強要は、引き止めハラスメントです。度重なる引き止めによって精神的な苦痛になっているなら、その引き止め行為はハラスメントと考えてよいでしょう。仕事中も頭から離れなくて集中できない状態なら、完全にハラスメントです。
ただ、「ハラスメントですよ」と言ったところで、退職引き止めを解決できるわけではありません。確かに引き止め行為はおさまるけど、保留状態の引き止めが続いてしまうことになります。それをまた「ハラスメントだ」と言っても、肝心の退職に進んでいきません。
③ 引き止め文句を論破
「給料を上げるから、考え直してくれないか」
→ 期待しておりませんので、結構です。
「残された仲間の仕事が増えるけど、悪いと思わないのか」
→ ご苦労をお察しします。陰ながら応援いたしております。
「お前なんか、どこに行っても通用しない」
→ 既に評価されて内定したわけなので、ご心配はいりません。
「代わりの人はどうするのか、お前が用意できるのか」
→ それは会社がやる事です。私がやる事ではございません。
「勝手に辞めるっていうなら懲戒解雇にする」
→ 懲戒解雇されるようなことはしておりません。根拠を示してください。
「せめて変わりの人が入るまで待ってくれないか」
→ キリがないので、退職の期日を決めてください。
上司の引き止めを一つずつ論破していけば、退職の道が少しずつ開いていくような気がするかもしれません。が、しかし、上司の言うことにいちいち論破できても、また違う切り口で引き止め文句を言われるだけです。これではキリがありません。平行線の状態が続くだけで、肝心の退職に進んで行きません。
退職に向けて動いていくには、引き止め工作には付き合わず、退職の期日を決めることが絶対条件です。
引き止めを断り切る自信がない場合
退職の引き止めにあうと、引き止められる度にことわって行かなければなりません。精神的に疲弊するし、いつしか平行線をたどっていることに気付くでしょう。引き止めにいちいち対応していても、退職には一歩も近づいて行かないわけです。
自力で解決するのが難しいと判断したときは、退職代行サービスを利用する方向で解決に向かうのが手っ取り早い方法です。
- 退職手続きをはじめ、有給消化、振込予定の給料支払い、失業保険に必要な離職票の手配までおこなってくれます。
- もう職場に行きたくない場合は、最短で依頼したその日に退職も可能です。
- 退職の引き止めが続いていて、会社側・職場側ともめごとになっている場合には代理交渉してくれます。
- LINEで無料相談できます。

まとめ
- 引き止めてきた上司に対して、第一声「ありがとうございます。」と礼は言っておく。でも、引き止めには取り合わない姿勢で、「退職することで気持ちは固まっております。お応えできずに申し訳ありません。」とキッパリ断る。
- 引き止めの断り方として、体調不良を理由にするのは賢明ではない。体調が良くなるまで待っていると言われたらそれまで。
- 退職する理由を具体的に言わない方がいい。相手に引き止める好材料を与えているだけ。退職する理由を具体的に言わなければ、引き止める方は手の打ちようがなくて引き止めできなくなる。
- 引き止めを論破する手立てとして有効なのは、法律・法令を根拠にすること。引き止め工作には付き合わず、退職までの期日を決めることが絶対条件。
- とくに民法では雇用契約の解約に期日が定められているので、民法を根拠にすると退職引き止めの状況を前に進めることができる。
- 自力で解決するのが難しいと判断したときは、退職代行サービスを利用する方向で解決に向かうのが手っ取り早い方法。